第１回から小回りで器用さが必要な中山で行われていたが、昨年から舞台が直線の長い阪神外回りコースに変更された。
それにより展開にまぎれがなくなり、馬本来の力勝負が見れるようになった。
エアスピネル
レースセンスの高さ、闘争心、瞬発力など抜きん出た部分が多く、その能力を証明するかのようにデイリー杯２歳Sでは３馬身半差の圧勝。デイリー杯が1600mになってからの最大着差というオマケ付き。阪神マイルをデビュー戦で経験しており、不安の少ない中心馬と言えるだろう。父にＮＨＫマイルＣ＆ダービーを制したキングカメハメハ、母は秋華賞馬エアメサイアと血統面からも能力の高さが伝わる。
そして話題に上がっているようにコンビを組む武豊騎手にとってＪＲＡ史上初の平地ＧＩレース完全制覇という偉大な記録がかかる一戦でもある。エアスピネル自身の将来を占う意味でも相手強化で前回ほど楽な展開にはならず、超えるべきハードルはそれほど低くないだろうが、前人未到の大記録へ大いに期待が高まる。
有力馬紹介
イモータル
新馬勝ちからひと息入れて臨んだ前走はブレイブスマッシュにハナ差の２着。
しかし、直線で窮屈な場面があり、脚を余しての結果だけに評価できる。
スケールの大きさは相当なものがあり、決め手勝負なら上位争いに加われるだろう。
ボールライトニング
新馬→京王杯2歳Sと2戦2勝が完勝の内容。
テンの素軽さと操縦性の高さが持ち味。
距離延長が課題だが、父がダイワメジャーなので1ハロン程度の距離延長なら問題はなさそう。
この馬自身は折り合いがつくので楽に好位へつけられる脚があり、ラストも確実にひと伸びするタイプ。
あとは他馬との力関係を気にするくらいだろう。
リオンディーズ
今年は1勝馬も全て出走できるという少ない出走登録。
この恩恵を受けて出てきた馬だが軽視できない。
その新馬戦で1馬身半差で下した2着のピースマインドは次走で6馬身差の圧勝。
3着のアドマイヤダイオウも未勝利戦を完勝している。
この2頭を問題にしなかったこの馬の能力は並みの1勝馬とは次元が違う。
キャリア1戦な上、折り合い面など課題は多いが、角居調教師は同じステップからウオッカ・トールポピー(両馬とも１勝馬）を阪神JFで勝利させているように勝算を持っての参戦に思える。
ここであっさり勝っても不思議はない素質馬だ。
鞍上もミルコ・デムーロ騎手と万全の態勢か。
シュウジ
前走は完敗の形だったが、小倉2歳S以来の休み明け＋本番を見据えての折り合いに専念した結果。
仕上げもレースもあくまでも前哨戦仕様のもので、あの結果だけで評価を下げるのは危険だろう。
血統的に底力が問われる舞台は半信半疑になってしまうが、岩田騎手が付きっきりで調教をつけており、どう仕上げてくるか。
デビューから3戦3勝の数字が示すように世代屈指のスピード馬であることに変わりはなく、2歳限定のマイル戦で大崩れする場面は想像しにくい。
うまく脚をためて運べれば、エアスピネルにつけられた3馬身半の差を詰められる可能性もあるだろう。
《コラム執筆者：米田和真の予想・プロフィールはこちら》
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